1600万円バナナ理論

アートのマニアックな話

作品名は「コメディアン(Comedian)」

生のバナナがダクトテープで壁に直接貼り付けられただけという、前衛的すぎるこの作品AP通信によると、今回のバナナを使った作品は既に約1300万円(12万ドル)での買い手が2件と、約1600万円(15万ドル)での買い手が1件付いているとのこと。

「もう意味が分からないっ」
と思った人もいるのではないでしょうか?

私も意味が分かりません!

が!
ちょっとアート的視点から分析していきたいなと思います!

【バナナが1600万円になった理由】

そもそも作者が有名人

イタリアの著名なアーティスト、マウリツィオ・カテラン氏

似たような作品を沢山作っていた

カテラン氏は過去にも隕石に激突するローマ教皇の蝋人形「ラ・ノナ・オラ(La Nona Ora)」(1999年)や、金でできた便器「アメリカ(America)」(2016年)を発表するなど、スキャンダラスな作風で知られていました。

イベント会場でのパフォーマンスだった
開催中に何度も作り直されています(食べちゃったり)

【アートの価値が上がる条件を満たしています】

・アートの歴史の系譜のどこに位置するものであり, どのような哲学的意味があるのか
・その時の社会情勢や常識に対するメッセージ
・アーティスト自身の歴史や信念

ということがかなり重要になってきます

作者のカテランは
展示空間を異化する作品を多く作っており
展示会を別に意味を持つ空間に作り替えるような作品を沢山つくってきました

これは、
コンテンポラリーアート、いわゆる現代アートに分類されており、今の展示会場に物申すような主張が組み込まれています。

これが哲学的な意味になり、その時の社会情勢や常識に対するメッセージも含まれていたりします。

表面的な条件を拾ったとしてもしっかりとアート的な価値を高める条件を満たしているがわかります

という感じに価値が上がったことに対してしっかりと理由があるわけです

そのほかの価値基準

アートバーゼルという空間で行ったこと
→これはそもそもアートバーゼルという場所に出展できるアーティストはすでに権威性があったり、評価されている人だけなのです
なので、有名人がやったことはとりあえずバズる理論で話題に上がって価値が上がったというのが一つの要因になっています

まとめ

バナナとダクトテープの組み合わせに1600万円の価値が付いた理由は

  • 作者が有名だった
  • アートバーゼルでの展示だった
  • 常識をぶっ壊す強いメッセージ性があった

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