アートと聞くと美しくて見ていて癒されるものというイメージを持つ人もいるのではないでしょうか?しかし、アートの中にはどう考えても、きれいとか美しいとはほど遠い作品もあったりしますよね
なんでそうなってしまうのかというと、それは、今の美意識と、作品が作られた当時の価値観が違っているからなんです
今日は、エーゲ海周辺で育まれた西洋美術の原点ともいわれる「エーゲ海美術」をテーマに取り上げてその作品が作られた当時の状況を想像していってみようと思います!
ちなみに、エーゲ海美術エーゲ海美術は大きく3つに分類できます。
- キュクラデス美術
- クレタ美術
- ミュケナイ美術(ミケーネ美術)
この3つを比較することでそれぞれの情景を思い返すことが出来るのもアートが教養と言われ、沢山の人が熱中することになる理由です。
キュクラデス美術
最も有名なのは、極度に様式化された大理石製の女性像
不思議なことに目も口もなく、鼻だけをかたどった石像がしっかり人として認識できてしまうことも面白いですね!
実はこんな特徴的な石像があるにも関わらずこの時代のエーゲ海の島々の生活を示す文献等はあまり残っていないんですなので、この石像が当時の生活様式を想像するための大きな手がかりになっています。
石像の中になまるでハープを引いているような像もありました。こんな像があるということは、きっと当時もエーゲ海の船乗りたちのヒロイン的な存在がいたに違いありませんこんな風に想像していくことで、アートが歴史を紐解く手がかりになるのです


クレタ美術
世界遺産になれない宮殿→ギリシャ神話の迷宮伝説に惹かれ、クノッソス遺跡を発掘修復したのが、イギリス人のアーサー・エヴァンズ卿という人でした。
本来木造で作られていた宮殿を勝手にコンクリートを使って修復してしまったがために、世界遺産にはなれないとされています(残念
復元と言えば、聖母の絵を修復したらオリジナルに似ても似つかないものができてしまったなんて話があるのをご存じですか?クレタの宮殿についても、当時のものと修復されたものは似ても似つかないものになってしまいましたw
こんなことが起こってもそれすら小話になって歴史に残っていくというのがアートの面白いところかな個人的に感じてしまいます
ミケーネ美術
ミケーネ美術にもやっぱり面白い時代的背景が見え隠れしています。
ミケーネの建造物は堅牢な城壁で囲まれ閉鎖的なものとなっているのですが、ここにも当時の情景を紐解くカギが隠されています!なぜわざわざ城壁を築かなくてはいけなかったか?
これはミノア文明とは異なり外敵の脅威にさらされる可能性があった為でしょう!
きっと、周囲の村々と抗争が頻発して居たり、人間の縄張り争いのようなものが巻き起こっていたからだと考えられます。時代劇よろしく切った張ったのアクションシーンもあったことでしょう!
しかも、ミケーネ時代には金属の細工も盛んで、金色の仮面が残って居たりしますまさに闘争の激化に合わせてそれに必要な武器の生産も活発になって技術力が向上していったのだと考えられますね!
まとめ
「エーゲ海美術には当時の時代背景を紐解く歴史的ヒントが沢山あった!」
一見美しくないように見える骨董品でも、当時の価値観や時代背景をしっかりと繁栄させたヒントが沢山ちりばめられているんだなと気が付いてくれた人が一人でもいたら嬉しいなと思います!美術のいろいろな見方、視点を見つけてもらえたら最高です!
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